大坂なおみさんの優勝に沸く全米オープンの個人的回顧
4大大会史上初の快挙!
9月9日閉幕したテニスの全米オープン。皆さんご存知のとおり女子シングルスでは大坂なおみ選手が優勝、グランドスラム大会のシングルスで男女を通じ日本人初の快挙となりました。今大会では落としたセットがわずか1セットという圧巻の内容で見ていて負けそうな気がしませんでしたよね。大阪府や北海道に縁のある大坂さんの優勝は自然災害で被災する人たちにも勇気を与えてくれたのではないでしょうか。
大坂なおみさん本当におめでとうございます!
ただ一方で決勝戦や表彰式での選手や協会の言動が物議を醸し出しています。そんな全米オープンを振り返ってみました。
表彰式のセリーナ選手は称賛されるべきなのか?
今大会の女子シングルス決勝は何かと話題になってますよね。試合中のセリーナ選手の振る舞いや表彰式でのブーイングなどこれだけ話題性の多い決勝戦は他の競技でもそうそう見ない出来事だと思います。
その中でセリーナ選手が表彰式のブーイングを鎮めたことを美談とする向きがありますがそれは正しい見方なんでしょうか?そもそもブーイングが起こった理由は彼女が試合中にとった振る舞いに起因します。主審に対して納得のいかないことがあるのはわかりますが、彼女のとった行動は誰もが正しいと言えるものではなかったのではないでしょうか?もちろんブーイングを起こした観客にも問題はあるかもしれませんが、スポーツでは常々プレーヤーの行動が観客の観戦マナーに影響するものです。こうした意識を持ってプレーすることがスポーツマンシップにのっとることだと私は思います。
彼女がテニスプレーヤーとして素晴らしい選手であることは結果が証明していますし誰もが知るところです。今大会は産後思うようにいかなかった中到達した決勝の舞台だけに結果を求める気持ちは強かったと思います。だからこそ感嘆させられるプレーを見せて欲しかったです。
そんなセリーナ選手以上にありえない行動をとったのは全米テニス協会会長カトリーナ・アダムズ。『今日はみんなが期待していた結果じゃなかっただろうけど~』って
イヤイヤ期待通りの結果ですけど何か?
とツッコミを入れた人は私だけではないハズ。さらに優勝した大坂さんではなくセリーナ選手を最初に褒め称えます。そうなると当然、その後の大坂さんへの祝辞は取ってつけたように聞こえます。全米テニス協会のトップがこんな発言の仕方をするとか考えられませんよね?誰を応援していても構いませんが立場を考えられない言動をするのであれば職を辞すべきだと思いましたよ。
それに加えもう一つ論争となりそうな問題が女子ダブルスの表彰式でも起こっています。それは表彰式での優勝スピーチを割愛されたこと。しかも理由は女子ダブルスの決勝から男子シングルスの決勝まで時間がないから、そんなことありえますか?スピーチは正直10分~15分程度のものですよ。デルポトロもジョコビッチも試合開始時間が多少遅れても文句は言わないでしょうし、心配ないのではないでしょうか?選手にとってスピーチは一生の思い出になりうるものです。ましてや優勝した選手は初優勝、かわいそうでなりませんよね。
今回起こった数々の問題は突き詰めれば全米テニス協会にあるのだと私は思っています(地元米メディアでさえこれらの言動を酷評しています)。スポーツでは選手の言動がクローズアップされてしまうことが多いですが協会組織が問題を真摯に捉え、スポーツマンシップに則ったプレーをできる環境を整えてほしいと願わずにいられません。
素晴らしいシュワルツマン選手の対応
先程まで残念なことばかり述べてきましたがもちろん素晴らしいこともありましたよね。それがこちらです。
@keinishikori
— HISA◡̈♡ (@smile_f_hisa) 2018年9月2日
シュワルツマン選手優しいね😊
タフな試合中、
笑顔の瞬間👏🎾#USOpen2018 #錦織圭 #シュワルツマン pic.twitter.com/ZpWi3FriYd
第3セット第11ゲームでの出来事。シュワルツマン選手は主審がアウトとした錦織選手のショットに『入ってるよ、チャレンジしたほうが良いよ』って言ったんです。2セット取られて後がない状況でこの一言が自然と出るなんて。しかも判定が変わった後も素敵な笑顔。これこそスポーツマンシップだと思いませんか?この行為を全米テニス協会は見習うべきだと感じますよね。
その他印象に残ったこと
まずはノバク・ジョコビッチ選手の優勝ですね。決勝ではホアンマルティン・デルポトロ選手に3-0のストレート勝ち。これで全米オープンは2015年以来の3勝目、4大大会では通算14勝目でピート・サンプラス元選手に並び歴代3位の記録となりました。
今大会のジョコビッチ選手は本当に凄かったです。優勝までに奪われたセットはわずか1セット、相手を圧倒するプレーが戻ってきました。ゴールデン・マスターズを達成した時も書きましたがいよいよ完全復活!今後まだまだ記録を作っていきそうです。
日本人選手の活躍も目立ちました。大坂さんの優勝は当然ですが錦織圭選手も2016年以来のベスト4。男女揃ってのベスト4は史上初の出来事です。準決勝でジョコビッチ選手に敗れてしまいましたが今大会のジョコビッチ選手は強すぎたから仕方ない。一時期怪我で低迷していましたが今年は本来のプレーが戻ってきてますので今後も期待したいです。
そして忘れてはいけないのが上地結衣選手。車椅子の部女子ダブルスで優勝、シングルスで準優勝と素晴らしい成績ですよね。どうしても車椅子の部は影が薄くなりがちですが上地さんってめっちゃすごいんですよ。なんせグランドスラムを達成しているんですから。男子の国枝慎吾選手も今回準優勝(国枝選手もグランドスラムを達成しています)。もっと車椅子の部もクローズアップしてほしいものです。
まとめ
大坂選手の話題はたくさん見られるので少なめでしたが今回の全米オープンは大坂なおみさんの大会でした。彼女はまだ20歳ですし今回の優勝をきっかけに飛躍しそうな気がします。それこそグランドスラムを達成しちゃうんじゃないですかね。
個人的にはナダル選手の怪我が心配ではありますが錦織選手、ジョコビッチ選手の復活も見られたので楽しめた2018年全米オープンでした。今年の4大大会は終わりましたが11月のATP・WTAファイナルズに向けて錦織選手と大坂選手には頑張ってほしいと思います。これからも応援していきましょう!