出走馬確定!2018年凱旋門賞を個人的に考察&予想してみる。
10月7日は凱旋門賞
いよいよ今週10月7日にフランスのロンシャン競馬場で凱旋門賞が開催されます。これまで日本からも数々の名馬が挑戦してきた伝統のあるレースで優勝することが日本競馬の悲願ともなっております。今年はクリンチャーと武豊騎手が挑戦、悲願成就となるでしょうか。
そんな凱旋門賞の出走馬が10月3日に確定しました(といっても天候等で直前回避の馬が出ることもありますが)。今年も昨年の凱旋門賞優勝馬エネイブル、地元フランスダービー馬スタディオブマンなど楽しみなメンバーが揃いました。もうすでにワクワクしている人も多いと思いますがそんな凱旋門賞を私なりに考察してみます。
有力出走馬と注目ポイント
今年の凱旋門賞出走馬は全部で20頭。出走馬の中でレーティング(フランスギャロ発表)が115以上の13頭について短評を交え紹介していきます。
厩舎
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J.ゴスデン
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父
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Nathaniel
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騎手
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L.デットーリ
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母
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Concentric
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通算成績
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9戦8勝
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母父
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Sadler's Wells
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主なGⅠ
成績
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1着 凱旋門賞・ヨークシャーオークス・キングジョージⅥ&QES
・愛オークス・英オークス(2017)
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2着 -
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近3走
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2018/09/08 セプテンバーS(GⅢ)1着
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2017/10/01 凱旋門賞(GⅠ)1着
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2017/08/24 ヨークシャーオークス(GⅠ)1着
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一口メモ
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前走の復帰戦を快勝。ケガもあり調整が遅れ気味だったが不安を払拭。
トレブ以来の連覇達成なるかが注目されています。
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厩舎
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J.ゴスデン
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父
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Frankel
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騎手
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未定
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母
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Rhadegunda
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通算成績
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10戦7勝
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母父
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Pivotal
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主なGⅠ
成績
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1着 コロネーションC・ガネー賞(2018)・英チャンピオンS(2017)
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2着 プリンスオブウェールズS(2018)・愛ダービー(2017)
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近3走
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2018/06/20 プリンスオブウェールズS(GⅠ)2着
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2018/06/01 コロネーションC(GⅠ)1着
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2018/04/29 ガネー賞(GⅠ)1着
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一口メモ
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コロネーションCまでGⅠ3連勝を含む5連勝した際は一時最有力候補に。
6月のプリンスオブウェールズSからぶっつけ本番がどうでるか?回避のうわさも。
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厩舎
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A.ファーブル
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父
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Galileo
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騎手
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P.ブドー
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母
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Waldlerche
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通算成績
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13戦6勝
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母父
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Monsun
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主なGⅠ
成績
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1着 サンクルー大賞(2018)・クリテリウムドサンクルー(2016)
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2着 仏ダービー(2017)
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近3走
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2018/09/16 フォア賞(GⅡ)1着
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2018/07/01 サンクルー大賞(GⅠ)1着
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2018/06/03 シャンティ大賞(GⅡ)1着
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一口メモ
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前哨戦のフォア賞を含め現在4連勝中でその全てが2400m戦。
ロンシャンの2400m2戦2勝。地元フランスの最有力馬。
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厩舎
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A.オブライエン
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父
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Galileo |
騎手
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R.ムーア
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母
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Chelsea Rose
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通算成績
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12戦5勝
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母父
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Desert King
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主なGⅠ
成績
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1着 英セントレジャー・パリ大賞(2018)
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2着 -
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近3走
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2018/09/15 英セントレジャー(GⅠ)1着
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2018/08/22 グレートヴォルティジュールS(GⅡ)3着
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2018/07/14 パリ大賞(GⅠ)1着
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一口メモ
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前走は注目牝馬ラーティダーに快勝。英ダービー9着以外は大崩れなしの堅実派。
長距離実績があるのでスタミナ勝負になればチャンス有り。
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厩舎
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A.ファーブル
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父
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Medaglia d'Oro
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騎手
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M.バルザローナ
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母
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Magic Mission
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通算成績
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21戦8勝
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母父
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Machiavellian
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主なGⅠ
成績
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1着 ブリーダーズCターフ(2017)
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2着 香港ヴァーズ(2017)
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近3走
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2018/09/16 フォア賞(GⅡ)2着
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2018/08/15 ゴントービロン賞(GⅢ)1着
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2018/03/31 ドバイワールドC(GⅠ)9着
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一口メモ
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古馬になった昨年から4着以下になったのはダートのドバイワールドCのみ。
一線級とのレース経験は少ないが相手なりに走れるのは強みかも。
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厩舎
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A.オブライエン
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父
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Galileo |
騎手
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D.オブライエン
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母
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Dialafara
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通算成績
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13戦6勝
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母父
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Anabaa
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主なGⅠ
成績
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1着 英セントレジャー・愛ダービー(2017)
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2着 -
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近3走
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2018/09/16 フォア賞(GⅡ)5着
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2018/04/13 アレッジドS(GⅢ)1着
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2017/10/01 凱旋門賞(GⅠ)17着
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一口メモ
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昨年GⅠ2連勝で出走した凱旋門賞は見せ場なく17着。
前走のフォア賞もあまりいいところなく本番でも厳しそう。
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厩舎
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W.ハガス
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父
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Sea the Stars
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騎手
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J.ドイル
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母
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Holy Moon
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通算成績
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5戦4勝
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母父
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Hernando
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主なGⅠ
成績
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1着 ヨークシャーオークス・愛オークス(2018)
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2着 -
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近3走
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2018/08/23 ヨークシャーオークス(GⅠ)1着
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2018/07/21 愛オークス(GⅠ)1着
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2018/06/14 アビンドンS(準重賞)1着
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一口メモ
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現在2400m戦のGⅠ2連勝中。デビュー戦2着以外負けなしの3歳牝馬。
凱旋門賞は斤量差が大きく3歳牝馬がめっぽう強いのでチャンス十分。
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厩舎
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R.ヴェリアン
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父
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Dalakhani
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騎手
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A.アッゼニ
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母
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Dulkashe
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通算成績
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12戦7勝
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母父
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Pivotal
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主なGⅠ
成績
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1着 -
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2着 バーデン大賞(2018)
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近3走
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2018/09/02 バーデン大賞(GⅠ)2着
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2018/05/27 タタソールズゴールドC(GⅠ)3着
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2018/05/05 ジョッキークラブS(GⅡ)1着
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一口メモ
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昨年の英セントレジャー10着以外は3着以内と堅実。
強敵とのレース経験がないので厳しい印象。
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厩舎
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A.ファーブル
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父
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Sea the Stars
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騎手
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V.シュミノー
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母
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Strawberry Fledge
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通算成績
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19戦7勝
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母父
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Kingmambo
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主なGⅠ
成績
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1着 ガネー賞(2017)
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2着 凱旋門賞(2017)・クリテリウムドサンクルー(2015)
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近3走
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2018/09/16 フォア賞(GⅡ)3着
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2018/07/01 サンクルー大賞(GⅠ)4着
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2018/06/03 シャンティ大賞(GⅡ)6着
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一口メモ
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昨年の凱旋門賞2着馬。勝ちきれないが相手なりにいつも走る。
ここ3戦ヴァルトガイストと同じレースに出走して敗れているのでここも先着は厳しいか。
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厩舎
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A.マルチアリス
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父
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Champs Elysees
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騎手
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G.モッセ
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母
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Grey Way
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通算成績
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17戦3勝
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母父
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Cozzene
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主なGⅠ
成績
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1着 -
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2着 -
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近3走
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2018/09/16 フォア賞(GⅡ)4着
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2018/08/26 ドーヴィル大賞(GⅡ)6着
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2018/06/03 シャンティ大賞(GⅡ)3着
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一口メモ
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GⅠ出走経験なし、重賞勝ち鞍なし。
特筆すべき点もなく正直厳しいと言わざるを得ない。
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厩舎
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宮本博
|
父
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ディープスカイ
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騎手
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武豊
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母
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ザフェイツ
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通算成績
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12戦3勝
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母父
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ブライアンズタイム
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主なGⅠ
成績
|
1着 -
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2着 菊花賞(2017)
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近3走
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2018/09/16 フォア賞(GⅡ)6着
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2018/04/29 天皇賞・春(GⅠ)3着
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2018/03/18 阪神大賞典(GⅡ)3着
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一口メモ
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前走は6頭立ての6着。スタートが良すぎて逃げる形になって苦しかった。
元々休み明け走らないし、前走より調子上向きとのことなので頑張ってほしい。雨希望。
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厩舎
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P.バリー
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父
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ディープインパクト
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騎手
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S.パスキエ
|
母
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セカンドハピネス
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通算成績
|
6戦3勝
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母父
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Storm Cat
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主なGⅠ
成績
|
1着 仏ダービー
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2着 -
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近3走
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2018/09/15 愛チャンピオンS(GⅠ)5着
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2018/08/15 ギョームドルナーノ賞(GⅡ)3着
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2018/06/03 仏ダービー(GⅠ)1着
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一口メモ
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ディープインパクト産駒の仏ダービー馬。2400mは初。
近走は今一歩のレースが続いていますが日本人としては応援したい。
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厩舎
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A.オブライエン
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父
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Camelot
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騎手
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J.ヘファナン
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母
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mora bai
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通算成績
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9戦2勝
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母父
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Montjeu
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主な重賞
成績(芝)
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1着 -
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2着 -
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近3走
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2018/08/11 セクレタリアトS(GⅠ)8着
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2018/07/07 ベルモントダービー招待S(GⅠ)3着
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2018/06/21 ハンプトンコートS(GⅢ)1着
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一口メモ
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前々走GⅠ3着はあるがそれ以外の実績乏しい。
距離実績もないのでおそらく厳しい戦いになる。
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今年の注目はなんと言ってもエネイブル連覇達成なるか?ですよね。昨年と違い今年はケガもあり順調とは言えない状況でしたが、前哨戦のレースを見る限り大きな問題はなさそうですよね。そのエネイブルを脅かしそうなのが3歳牝馬シーオブクラス。現在5戦4勝2着1回と連対率100%でGⅠ2連勝中です。斤量差が大きい凱旋門賞は3歳馬が優勝することも多く今年の3歳馬では一番の能力を持っていそうです。
地元フランスの注目馬は2頭。ヴァルトガイストとスタディオブマンですよね。ヴァルトガイストは前走フォア賞を快勝、2400m戦では部類の強さを誇ります。昨年は勝ちきれないレースが多かったですが現在は本格化した印象ですよね。もう一頭の注目馬スタディオブマンは仏ダービー馬。ディープインパクト産駒ということもあり度々注目されていますよね。2003年のダラカニ以来仏ダービー馬の凱旋門賞制覇はないので今年スタディオブマンが成し遂げるか注目です。個人的には『武豊騎手が久しぶりに挑戦する凱旋門賞で、ディープインパクトが挑戦した凱旋門賞を制したレイルリンクのS.パスキエ騎手がディープインパクト産駒に騎乗すること』に感動しています。まぁ本音を言えばディープインパクト産駒に武豊騎手が騎乗してくれる方が嬉しいですけどね。
そして今年の日本代表はクリンチャーです。フォア賞ではいいところがなかったですが前走より調子は上向いているとのこと。武豊騎手の4000勝達成、雨の予報など流れは悪くないはず。気楽に出走できる時の意外性がクリンチャーのいいところですしあっと言わせる走りを期待したいですね。
枠順 10/4 22:30更新
ゲート番 | 馬番 | 馬名 | 騎手 | RT. |
---|---|---|---|---|
①
|
9
|
クリンチャー
|
武豊
|
116
|
②
|
12
|
パタスコイ
|
O.ペリエ
|
114
|
③
|
17
|
ネルソン
|
M.ハシー
|
106
|
④
|
3
|
カプリ
|
D.オブライエン
|
118
|
⑤
|
8
|
ティベリアン
|
W.ビュイック
|
108
|
⑥
|
10
|
エネイブル
|
L.デットーリ
|
128
|
⑦
|
2
|
サルウィン
|
O.マーフィー
|
114
|
⑧
|
7
|
タリスマニック
|
M.バルザローナ
|
119
|
⑨
|
6
|
クロスオブスターズ
|
V.シュミノー
|
117
|
⑩
|
4
|
ウェイトゥパリス
|
G.モッセ
|
116
|
⑪
|
11
|
ヌフボスク
|
C.デムーロ
|
113
|
⑫
|
16
|
ハンティングホーン
|
J.ヘファナン
|
115
|
⑬
|
5
|
ヴァルトガイスト
|
P.ブドー
|
122
|
⑭
|
13
|
キューガーデンズ
|
R.ムーア
|
121
|
⑮
|
19
|
シーオブクラス
|
J.ドイル
|
118
|
⑯
|
18
|
マジカル
|
W.ローダン
|
111
|
⑰
|
15
|
ルイドール
|
A.アムラン
|
109
|
⑱
|
1
|
デフォー
|
A.アッゼニ
|
117
|
⑲
|
14
|
スタディオブマン
|
S.パスキエ
|
115
|
10月4日に枠順が決まりました。連覇を狙うエネイブルは6番ゲート、日本から参戦のクリンチャーは1番ゲートから出走。クラックスマンが回避したため最終的に19頭立てになっております。
予想 10/6 23:30更新
◎エネイブル
今年の凱旋門賞はやっぱりこの馬から。前走では斤量58㌔や長期休み明けの不安を完全に払拭したといってもいい完勝。それでいて80%程度という話ですし素直に考えれば力が抜けていると思いますね。馬場も不問ですしデットーリ騎手が『一生に一度の馬』と称してる力を信じたいです。
○タリスマニック
ダートのドバイワールドCを除けば昨年から全て3着以内の堅実派。前走のフォア賞ではヴァルトガイストの差し脚に屈した感じだが、多頭数になる今回は先行力が有利に働きそう。ブリーダーズCターフ優勝馬ですし力もあるハズ。
▲シーオブクラス
昨年優勝のエネイブルと同じくヨークシャーオークスから参戦。エネイブル程のインパクトはないが底を見せていないのが魅力。斤量55㌔はやっぱり有利ですよね。ただ雨で馬場が渋った時はちょっと割り引き必要かも。
△ヴァルトガイスト
2400m戦4連勝&ロンシャン2400m2戦2勝という成績から最も力の出せる条件かも。前走のフォア賞も素晴らしい末脚で完勝。馬場も不問だし目下の充実度を考えたら楽しみです。
✩クリンチャー
正直足りない気はするが日本代表として頑張って欲しいので✩印。意外性のある馬ですし内枠&雨(天候はまだわかりませんが)を活かして少しでも良い着順を。豊さん頑張って!
×ヌフボスク
人気上位馬と下位の馬では力差がありそうな今年の凱旋門賞で穴っぽいのはこの馬かな。パリ大賞では人気してるキューガーデンズの2着。勝ちきれない面のある印象だがロンシャンの2400mは重賞勝ち含む2勝2着1回3着1回。コース相性でなんとかできないかな?
馬券的には◎1着固定で印の馬に流す感じですかね。
結果 10/8 13:00更新
2018年凱旋門賞の結果
1着10エネイブル
2着19シーオブクラス
3着 6クロスオブスターズ
エネイブルが史上7頭目の凱旋門賞連覇を達成しました。スタートもよく道中は3~5番手あたりの絶好位。直線に入ってから追い出されると鋭い反応で抜け出し最後猛追してきたシーオブクラスをクビ差抑えて優勝しました。ゴール前際どかったですがあそこで残せるのが一流馬たる所以ですよね。今年は順調さを欠いた中での参戦でしたが全く関係ありませんでした。脱帽です。
2着はシーオブクラス。直線に入ったところではインコースの最後方と絶望とも思えるポジションでしたが馬群を縫うようにものすごい脚で追い込んできました。馬も強かったですが鞍上のドイル騎手の手綱さばきは素晴らしかったですよね。シーオブクラスはエリザベス女王杯に登録しています。彼女の末脚が京都競馬場で見れたら最高なんですけど、難しいかなぁ。
3着は昨年の2着馬クロスオブスターズ。道中では中断やや前目につけ折り合い難のこの馬らしからぬ落ち着きぶり。直線で前が開けた時の脚は素晴らしいものでした。昨年2着は実力あってのもの、やはり侮ってはいけませんでした。
私の予想馬の結果も軽く振り返ってみます。
◎エネイブル▲シーオブクラスは前述通り。○タリスマニックは良いところなく13着。思ったよりポジションも後ろでしたしこの馬らしい競馬ができませんでした。△ヴァルトガイストは中団やや後方の位置取り。彼の末脚を考えると後ろ過ぎた印象ですかね。ゴール前は差を詰めてきているように力はあるので今後も楽しみな馬の1頭です。
✩クリンチャーは残念ながら17着。優勝したエネイブルのすぐ横でレースをしておりポジションは良かったのですが完全な力負け。直線ではもう脚が残っていなかった感じですね。無事に日本に戻ってきて元気な姿をレースで見せてほしいです。×ヌフボスクは18着。終始いいところなく力が足りなかった印象です。
今年の凱旋門賞はゴール寸前まで接戦で見ごたえ十分でしたよね。エネイブルは順調さを欠いてこの強さですし、過去の名馬と比べても遜色のない強さだと思います。実現は難しそうですが競馬ファンとしてはエネイブルvsウィンクスの頂上決戦が見たいですよね。
少し早いですが来年こそ日本馬が戴冠できるようこれからも日本競馬を応援していきましょう!