気づいたら熱中している高校野球。その魅力に迫る!
夏の甲子園は国民的スポーツ
野球ファンはもちろんのこと、そうじゃない人にとっても今や国民的行事の一つといっても過言ではない夏の甲子園。夏の到来を地方予選の始まりから感じ、夏の風物詩の一つと捉えている方も多いはずです。もちろん私もその1人。
そんな高校野球で球児達が魅せる全力プレーには誰もが無条件で感動する圧倒的な力がありますよね。皆さんの中にもいつの間にか引き込まれてしまった経験をされた方も多いのではないでしょうか?
昔から日本では国民的スポーツとして定着している“野球″ではありますが、その中で高校野球は大学野球、社会人野球といったアマチュアスポーツの一つでしかありません。しかしながら甲子園での全国大会が全試合テレビ中継されるだけでなく、地方大会においても各地方局が試合や結果を放送しています。他のアマチュアスポーツでは到底考えられないことですよね
そこまで多くの人を虜にする高校野球。その魅力は一体何なのか?考えてみました。
ドラマチックな展開
高校野球の魅力を語る上で必ず出てくるフレーズがコレですね。負けているチームが魅せる信じられない粘り。1つのミスが試合を決める緊迫の投手戦。はたまた不可能だと思われる状況からの大逆転劇。挙げればキリがないくらい劇的なことが起こるのが甲子園です。そう、この奇跡が高校野球最大の魅力です!
ではその奇跡は試合のどこで起きるのでしょうか?
その多くは試合終盤の攻防に現れます。ご存知のとおり高校野球はトーナメント方式のため負けるとそこで終わりです。リードしているチームの守りきりたい想い、追いかけるチームの逆転への気迫。そのお互いの気持ちが終盤プレーとなって現れるのです。そしてそのプレーが観客の心を動かし、異様な雰囲気を作り、劇的なドラマを数々生んでいくんですね。
終盤の戦いを数字で検証
では本当に高校野球では終盤に試合が動くのでしょうか?
最近の大会から見てみましょう。
大会 | 全試合数 | 該当試合数 | 割合(%) |
---|---|---|---|
2017年夏 |
48
|
38
|
79.2
|
2018年春 |
35
|
30
|
85.7
|
2018年夏 |
54
|
41
|
75.9
|
3大会合計 |
137
|
109
|
79.6
|
大会 | ①表の該当試合数 | 該当試合数 | 割合(%) |
---|---|---|---|
2017年夏 |
38
|
26
|
68.4
|
2018年春 |
30
|
20
|
66.7
|
2018年夏 |
41
|
30
|
73.2
|
3大会合計 |
109
|
76
|
69.7
|
凄くないですか?
なんとなく終盤に点数がよく入るイメージがありますがこの2つの表を見たら一目瞭然ですよね。そう、8回以降の得点がめっちゃ多いんです。その割合はなんと約8割!しかもその内の約7割で負けているチームに得点が入ります。こんな状況で試合が行われれば盛り上がらないわけがありません!
で、さらに掘り下げていくと・・・
大会 | 全試合数 | 該当試合数 | 割合(%) |
---|---|---|---|
2017年夏 |
48
|
12
|
25.0
|
2018年春 |
35
|
13
|
37.1
|
2018年夏 |
52
|
15
|
28.8
|
合計 |
108
|
40
|
29.6
|
なんと全体の約3割もの試合が8回以降の得点で決まっているんです。この数字を見れば甲子園には魔物が住んでいると言われる所以もわかりますよね。
地域密着
高校野球では各地区大会から代表校が出るシステムになっていますよね。特に夏の甲子園では47都道府県全てから代表校が出場するんです。そのため自分の住んでいる地域や故郷の代表校には感情移入もしやすく、肩入れしてしまうことも少なくありません。特に自分の母校が代表になるとその気持ちは一層強くなるでしょう。
また、メディア対応においても各地域で郷土愛を引き出すことができるので近い距離で高校野球を感じれます。他の地区の出来事であれば興味がなくても地元のことだと注目できるんです。
日本全国で多くの人が身近に感じれることも魅力の一つではないでしょうか。
終わりたくない気持ち
前述しましたが高校野球はトーナメント制。負けた時点で終わりなのです。特に夏の甲子園では負けた時点で3年生は引退が決まります。そのため1試合に、1球に全力を注ぐ姿が輝いて目に映ります。
プロ野球であれば長いシーズンなので負けたとしても次の日に試合があります。そのため1つの勝ち負けに一喜一憂しすぎることはないでしょう。高校野球は学びの場としてプロ野球に比べ結果を重要視しないとの話もありますが、ある意味ではプロ野球より厳しい世界での戦いを強いられているとも取れるのです。
高校球児の長く野球を続けたいという気持ちがプレーに現れ、多くの人を惹きつけているんですよね。
未熟だからこその魅力
プロ野球や大リーグを見ていると華麗な守備や老獪な投球術、豪快なホームランなど洗練されたプレーで私たちを魅了してくれます。それに比べるとどうしても高校野球では技術面で見劣りしてしまいます。そのため予期せぬプレーやミスが起こってしまうことも多々あります。だからって魅力がないと決めつけるのは総計ではないですかね?
1979年の箕島vs星稜では12回のタイムリーエラー、16回の落球があったことで2本の同点ホームランが生まれ、高校野球史上最高の試合と言われる激闘となりました。これは未熟だからこそ生まれた奇跡なのです。
これからも高校野球を応援します
記事を読んでくれた皆様ありがとうございます。高校野球の魅力が少しでも伝わりましたでしょうか?こんなにたくさんの魅力が高校野球にはあるんですよ。毎年筋書きのないドラマを魅せてくれる甲子園。そんな高校野球をこれまでもこれからも応援したいと思っています!皆さんにもそう思ってもらえたら嬉しいなぁ。